しょうもないや

しょうもなくない諸々に関するしょうもない覚書

2019年4月14日に書いたCASANOVAの感想文

 表題の通りの走り書きを見つけたので掲載しておきます。CASANOVA、また観たいな

 

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 宝塚歌劇団花組公演 祝祭喜歌劇CASANOVAを観ました。仙名さんの退団公演ということで、絶対に生で観たいと思っていた作品です。千秋楽のライブビューイングも絶対にチケットを当てて見に行くぞという強気な姿勢を持ち続けていたいです。

 

書き手:

 ひかりふる路とドン・ジュアンと春の雪を観て生田先生の性癖を全面的に信頼したおたく。生田先生がみりおさんとのぞみさんに同じ稀代のプレイボーイの役をあてたけど云々という朝日新聞の記事を読んでときめきでバラの花になった。

 BUND NEONとラストタイクーンランスロットの再演が観たい。

 

 

 

  世界の恋人、という大袈裟すぎるようにすら思えるフレーズがこんなにも誇張表現でなくなりぴったりと当てはまって、そしてこんなにも説得力をもって演じられる人類が存在するのか?というくらい、みりおさん演ずるカサノヴァさんは世界の恋人だった。世界の恋人、明日海りお様

 みりおさんの一声や仕草ひとつでありとあらゆる女性たちがたちまち虜になる図はまさしく宝塚を観に来たわたしたちのそれであったし、めろめろしている女性たちがみりおさんの囁きひとつでみりおさんの思うがままになる光景のエンターテイメント性はあまりに高く、これを観れただけで十二分の価値とこの上ない多幸感を感じました。あまりに楽しい。女性たちがみりおさん演ずるカサノヴァさんの美と愛に屈するシーン、毎日観たい

 みりおさんの爽やかでやわらかな雰囲気のためか、脱獄出来てしまうような機転もありお茶目さにも溢れており人望やカリスマもあるスーパーパーフェクト&オールマイティ&トップオブザモテおとこオブザワールドでありながら全くもって嫌味がなくて、そのあまりの爽やかさ故にどうしてかれが裁判にかけられる必要があるのか?!と思ってしまう程でした。裁判のシーンの時点でわたしも既にこころを奪われていたようでした。そして今更ですがとにかく造形が素晴らしくお美しくて目が幸せでした。こんなにもお美しくて演技にもおうたにも丁寧さと安心感があって、所作もウインクもお上品で綺麗でお茶目さがきらりとひかるひとがいる?と感動を覚えると同時に近づいてくる宝塚の一員としてのみりおさんとの別れのことを考えて胸がぎゅっとくるしくなりました。

 これは余談ですが、わたしが宝塚を観るきっかけはみりおさん(友達がみりおさんのファンだったため)だったし、また観に来ようと思ったのもみりおさんがいらしたからだし、みりおさんが花組さんの真ん中にいることを当たり前だと思っていたので正直まだ寂しさとうまく折り合いをつけられていません。いま確信出来ているのは、ひとつの時代が終わるのだな、ということだけです……

 

  話をCASANOVAに戻しますが、ストーリーにはご都合主義なところがあるなとか歌詞もシンプルな感じがするなと思うところ(主観です)もありましたが、観たあとにさわやかな明るい気持ちになれる作品だったので良かったです。お衣装が好みだったしみりおさんが前述の通りあまりに世界の恋人で神々しくお美しかったし、天真爛漫なゆきちゃんと悪役の柚香光ちゃんがすてきだったので。何よりもストーリーの端々で生田先生の考える、言葉を選ばずにいうと、もえる要素がたくさん見受けられ、そしてそれらがわたしのときめきにもダイレクトにヒットしたのでとにかくそういった点での満足感が大きかったです。生田先生、信頼できる

 

 ここからは生田先生大信頼性癖ポイントを紹介します。みりおさんが世界の恋人なことがまず大性癖(大性癖?)ですが、大前提なので飛ばします。

 

・苦悩する美しきみりおさんが、真っ赤なドレスを身に纏った女性たちに囲まれて翻弄されるシーン。生田先生!これドン・ジュアンでも見たよ!わたしも好き!!

・ゆきちゃん演ずるベアトリーチェさんがこころのどこかではカサノヴァさんに惹かれているのに、カサノヴァさんに向かって貴方がわからないと告げるセリフ(ひかりふるの時もそうでしたが、愛しているが故に貴方のことがわからないと口走ってしまうのが性癖なのでたましいがふるえました)。

・しろきみちゃんに男装をして頂いたことがまず第一の性癖の一致なので喜んでしまったし、男装のしろきみちゃんがカサノヴァさんといちゃいちゃあるいはキッスをするシーン(キッスをした後もしばらくお二方の距離が近くて生々しさもあり、しろきみちゃんがあまりに恋する女性の表情をされていたので、ひどくドキドキとしてしまいました)。

・美の擬人化とすら思えるみりおさんがバラの花びらを降らす美しいシーン。

・カサノヴァさんの美貌を永遠のものにすることが叶わないのであれば、じゅりあ様の美貌を永遠にしてやるとロザリアさんが言うシーン(じゅりあ様の美がものすごくものすごくものすごくタイプなので驚くほどに共感をしてしまった)。

・お前と結婚さえしなければとまで宣った閣下が変わり果てた夫人の姿を見たときに、可哀想なくらい狼狽えて悲痛な叫び声で助けを求めたシーン(苦悩する柚香光さんにときめきを覚えてしまうわるいおたくなのでこころのなかでホホホと微笑んでしましました)。

・ひげのみなみまいとちゃん。ごつさと濃ゆさとムンとした逞しさゆえに、出来るもんが出来ちまって、というところがやけに生々しく聞こえてどきりとしてしまいました。ひげのどっしりとした男性、好き

・柚香光さんに悪役を演じさせたところ。ダークなお衣装でこれまたダークな笑みを浮かべる柚香光さん、好きでしかなかった。意図してかしなくてかはわかりませんが、高笑いが少し小物っぽいところも好き。後ヴェネツィア一頭の切れる男の筈が、仮面舞踏会という失策を思いついてしまうところやカサノヴァさんに関しては結局手柄を立てられないところも好き。二番手さんが演じられる機会の多そうな、主人公と対立関係にありしかしどこか憎めない悪役が大好きなので、好きな柚香光さんにそういったお役を演じて頂くことが出来てよかったです。ありがとう生田先生。しかし前述の通り悲痛な叫び声で助けを求める柚香光さんに、とにかく、大変に、物凄くばかみたいにときめいてしまったので申し訳ないです(ありがとうございます)

 

 

 CASANOVAを観ながら/観てからドン・ジュアンのことを何度も何度も思い出してしまったので、そのことについても別のエントリ等に書き残しておきたいです。でも正直わたしの感想よりも朝日新聞の記事(https://www.asahi.com/sp/articles/ASM2M7JQJM2MPTFC01G.html)を見てくれたらそれでいいです。(既に有料会員限定記事になっていたので少し泣きました。時々見返してはにこにこするという個人使用のためにひっそりと全文を書き写してしておきたかったです。)

   

  

 

 演じられているなかのひとのことをなんとなく意識しながら演じられているお役のことを見てしまったのはある意味とても失礼かもしれないのですが、カサノヴァさんとベアトリーチェさんのふたりの愛の永遠をうたうデュエットを見たときに舞台人のみりおさんと舞台人のゆきちゃんのふたりのこの関係性や親愛も永遠になってほしいと強く願ってしまいましたね。

 みりゆき、神話になって語り継がれて伝説になって欲しい。星座になって欲しい。